男性と女性の親としての成長スピードは違う
男性が父親になることは、女性が母親になることと比べて実感が湧きにくいことなのかもしれない。女性は妊娠時から自分の体の中で子どもを育てていくわけで、さらには悪阻(つわり)という、この上ない苦しみを経験する。一方で、男性が父親になることを感じる機会といえば、検診でエコー越しに子どもを見るときくらいだ。私の場合は、先生の解説を聞きながらエコーに写る我が子を見ても、「へぇ〜。」という感じだった。
私はママに比べて、親としての成長スピードが遅かったし、それ故に衝突することもあったと思う。その経験を踏まえて、これから父親になる人に伝えたいことがある。それは、父親になったら、子どもと2人きりで出かけてほしいということだ。言い換えると、パパと子どもとの2人だけの世界を持ってほしいということだ。
ママのドッペルゲンガーになってはいけない
産後のパパの心構えとして、「子どものケアも大事だが、ママのケアが一番大事。」といった類の助言をよく耳にするものだ。産後、生まれた子どもばかりがチヤホヤされて、ママは「体もボロボロなのに誰も自分のことを労ってくれない。」なんて孤独な気持ちになってしまうことがあるとかないとか。この助言はごもっともだし、大事な視点であることは間違いない。ただ、父親として、ママのケアと同等に、パパと子どもとの関係を構築していくことも重要な問題なのだ。
ママのことをしっかりとケア・サポートすることは前提として、ママのドッペルゲンガーになってはいけないということを伝えたい。言い換えると、ママの御用聞きばかりに徹して、自分らしさを押し殺さないようにということだ。パパはパパであって、ママ2号である必要はないのだ。
もちろん、「パパとしてこうあってほしい。」というリクエストは真摯に耳を傾ける気持ちを持ったうえで、自分らしいパパになっていきたいものだ。
2人で出かけるようになって
私も、子どもと2人きりで出かけるようになってから、ママも一緒に出かけていたときには見えなかった世界が見えてきた。 何しろ、お出かけの最中は、子どもと2人きりなわけだから、当然、子どものことをずっとウォッチしている。ママも一緒にいたら見過ごしていたような気づきをたくさん得ることができるのだ。2人だけの思い出がたくさんできたし、2人だけの秘密の遊び場だってある。
さらに言えば、2人で出かけるということは、子どもの世話を自分1人で全て担うということであり、困ってもママの助けは得られない。大袈裟に言えば、子どもの命は自分の腕にかかっているのだ。否が応でも、親としての自分を意識させられるだろう。
ママ2号からパパに
子育ては面倒くさいことが多い。もともと働きたくない性分の自分だ。子どものためとはいえ、めんどくさいことはめんどくさい。一方で、子どもとの関係をしっかりと構築できていない状態でやる育児ほどしんどいものはないと思う。頑張っても、「パパ嫌〜、ママがいい〜」なんて言われた日にゃ、やるせなくてやる気を無くす。
子どもはどうしたって、ママが好きである。でも、パパにしか作れない世界だってあるはずだ。別にママと勝負ということではないけれど、私は、世のパパたちに子どもと2人だけの世界を作ってほしいということを、自らの経験から伝えたい。少なくとも私は、2人だけで出かけるようになって、自分の気持ちの中で、自分がママ2号からパパに変わることができたと思っている。
公園でも、喫茶店でも、水族館でもデパートでも、どこでもいいから、2人でGO!
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